タイ職業会計人連盟(FAP:The Federation of Accounting Profession)から非公開会社向け財務報告基準の有形固定資産と投資不動産に関する会計方針の追加について発表があった。
この変更は、2020年1月1日以降に開始する会計期間から適用される。(官報に公表された後、発効する。)
1. 会社は、有形固定資産の認識後の測定方法について、以下の(1)または(2)の2つのモデルから選択適用できる。但し、同じ勘定科目の有形固定資産については、同一の会計方針が適用されなければならない。
(1) 原価モデル(Cost model)
資産として認識した後、有形固定資産項目は、取得原価から減価償却累計額及び(もしある場合には)評価損引当金を差し引いた価額で計上しなければならない。
-> TFRS for NPAEs 第10章 有形固定資産 第134項
(2) 再評価モデル(Revaluation model)
資産として認識した後、その公正価値が信頼性をもって測定できる有形固定資産項目は、再評価時点での公正価値から減価償却累計額及び(もしある場合には)評価損引当金を差し引いた価額で計上できる。再評価は、帳簿価額が公正価値で評価すると決定した期末時点での公正価値と大きく変わっていないことを確認するために定期的に実施されねばならない。
再評価によって有形固定資産の簿価が引き下げられる場合、当該差額は損失として認識する。として資本の部のその他の包括利益に計上される。但し、過去の再評価で再評価剰余金を計上している資産については、再評価剰余金の範囲で再評価剰余金を取り崩す。
[⇒FAPの設例を参照: Example1, Example2, Example3, Example4]
再評価後の減価償却は、再評価後の帳簿価額に基づいて行われる。再評価剰余金は、評価前後の帳簿価額に基づく減価償却の差額分が、純損益を通じた組換調整なしに利益剰余金に振り替える。又、処分等により認識を中止した場合にも直接利益剰余金に振り替える。
[⇒FAPの設例を参照: Example5, Example6, Example7]
2. 会社は、投資不動産の認識後の測定方法について、以下の(1)または(2)の2つのモデルから選択適用できる。但し、その場合、所有する全ての投資不動産について同一の会計方針が適用されなければならない。
(1) 原価モデル(Cost model)
資産として認識した後、投資不動産は原価モデルを使用して測定されなければならない。取得原価から減価償却累計額及び(もしある場合には)評価損引当金を差し引いた価額で計上しなければならない。
-> TFRS for NPAEs 第12章 投資不動産 第212項
(2) 公正価値モデル(Fair value model)
資産として認識した後、公正価値モデルを選択適用した会社は保有する全ての投資不動産を公正価値で測定しなければならない。再評価によって生じた差額は、当該会計期間の損益として認識する。
[⇒FAPの設例を参照: Example8]
自己使用目的との振替
会社は、用途の変更が生じ、かつ用途変更の証拠があるときのみ投資不動産と自己使用資産の振替ができる。
[⇒ FAPの設例を参照: Example9, Example10, Example11, Example12]
処分
投資不動産は、処分されたか、その使用が恒久的に中止され将来の経済的価値の獲得が見込めなくなった時点で、認識を中止される (財政状態計算書より消去)される。
処分による収入から諸経費を差し引いた純収入と処分時点の帳簿価額との差額は、当該会計期間の損益として認識される。
FAPの作成した設例 -> https://www.tfac.or.th/upload/9414/5YnH8XYCeS.PDF